プロジェクト目標


本プロジェクトは、かつて伊自良川の氾濫原であったという鷭ヶ池の自然環境の特性、岐阜大学のキャンパスの一部である社会環境を考慮し、以下の再生目標を掲げています。


人為的攪乱による

新たな湖沼・湿地生態系の創出

現在の鷭ヶ池は、伊自良川と切り離されており、洪水等の攪乱作用を受けることなく、湿地的な環境から次第に乾燥した環境へと変化してきています。また、底質の堆積や水質の悪化、水辺に依存する生物種の減少が確認されています。

鷭ヶ池の自然環境を再生するには、 環境劣化の原因を解明し、対応する必要があると考えられます。

その1つの方策として、鷭ヶ池に人為的撹乱を与えることによって、劣化してきた時間を巻き戻すことを目標にします。人為的撹乱により、鷭ヶ池の生物多様性(環境・生物種)の復元・回復、具体例としては下表に掲げる方策よって鷭ヶ池の名前の由来となった水鳥「バン」が戻ってくるような環境づくりを目指します。

保全方策の例

井戸水流入(補給)
かいぼり
浚渫(部分的に浚渫して深みをつくる)
(陸上植物の)刈り取り
伐採・選択的除去
切り下げ(陸地を削る)
移入
石・丸太などの構造物導入(隠れ家の導入)
土壌シードバンク調査(沈水植物を中心とした水生植物の復元)
新堀川との接続改善(水生生物の移動性の改善)
野焼き
ゴミ拾い


   

生物多様性保全の地域拠点

実験場としての大学キャンパス

鷭ヶ池(岐阜大学自然保存地)を含む柳戸キャンパス全体が地域の生物多様性保全(生息域内保全・生息域外保全)の場となるとともに、学生や地域の人々が実物に触れて環境学習を行う場、保全のための幅広い技術・視野を持った人材を育成する場となることを目指します。

鷭ヶ池は新堀川を通じて伊自良川・村山川といった貴重な生息環境を有する河川と隣接しつながっていることなどから、周辺環境との関係性についても注目していきます。また、キャンパスを 1 つの実験場と位置付け、キャンパス内の自然環境を対象とした調査・研究 が積極的に実施されることを目指します。

これは岐阜大学が目指す環境科学分野(独創的・ 先進的研究)の拠点形成につながると考えられます。

      

多様な主体が協働して行う

生物多様性保全・再生事業

岐阜大学環境サークル 生物多様性保全部門(学生有志)を中心として、岐阜大学内の幅広い専門家、学内外の協力者の協力を得ながら取り組みを進めていきます。

具体例として、学生が主体となり、教職員や地域住⺠、他大学の関係者などで構成され、鷭ヶ池を中心としたキャンパスの自然環境の調査・研究・計画・管理を行う組織(協議会・WG)の創設を目指します。

また、学内・地域にオープンな取り組みとして進めます。取組の過程をSNS などを通じて発信するほか、学内外での発表の場などを通じて情報発信をしていきます。

多くの人の協力を必要とする場面では、学内外に広く参加を呼びかけ、楽しめるイベントとして実施しながら鷭ヶ池に関心を持つ人のコミュニティを広げていきます。

       

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