自然再生における留意点


科学的知見に基づく実施


科学的なデータをもとに仮説を立て、検証しながら取り組んでいきます。鷭ヶ池の環境が劣化した仕組みを分析し、調査や観測を行いながら再生の方策を考え、仮説を立て、これを実行し、結果を確かめながら進めていきます。


      

分野横断的な検討


生物多様性や生態系の異変の原因には、さまざまな物理・化学的な環境変化が影響していることが少なくないと言われています。

生態学だけでなく、地学や水文学、河川工学、土木 工学、気象学、化学など対象に応じてさまざまな分野の専門家の関与が必要となります。また、環境問題という 1 つの社会問題を扱う中で、利害関係者の合意形成や環境マネジメントシステムの導入、持続可能性への発展も必要になると考えられます。

本プロジェクトで は、文系・理系の枠を超えて分野横断的な検討を目指します。

       

順応的管理に基づく実施


自然再生プロジェクトの対象は生態系であり、そこに生息する動植物と物理的環境の膨大かつ複雑なシステムによって成り立っています。そのため、人為的撹乱が生態系に与える影響のすべてを把握し予測することは非常に困難(=不確実性)です。

人為的撹乱が実施者の期待通りに行く場合もあれば、予期せぬ結果(取り返しのつかない失敗)をもたらす場合も考慮しなければなりません。

この不確実性への対処として、順応的管理手法が求められています。これは、多様な主体が協働し、「仮説・実験・検証」といった科学的なプロセスを重視して事業や実践に取り組む手法です。


        

透明性の確保


モニタリング結果を中心に順応的管理の各プロセスにおいて、プロジェクトに関わる専門家が科学的評価を行うべきですが、その解釈や判断が適切であるかどうか幅広く客観的評価を行う必要があります。

インターネットや広報誌、パンフレット、看板などで案や結果を公表・公開し、広く意見を求め(パブリックコメント)、プロジェクトに反映させていきます。


        

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