鷭ヶ池ミニシンポジウム2023
〜鷭ヶ池自然再生プロジェクト成果報告会〜
イベントレポート
岐阜大学環境サークル G-ametでは、2023年11月5日(日)に「鷭ヶ池ミニシンポジウム 〜鷭ヶ池自然再生プロジェクト成果報告会〜」を岐大祭に合わせて対面で開催しました。自然再生プロジェクトの活動開始から5年を経た1つの節目として、これまでの取り組みの成果を学内外に広く公表するとともに、これからの鷭ヶ池の在り方について参加者と共に考えることを目的として企画しました。
ミニシンポジウム前半では、学生や教職員による半世紀近くのバックデータと、2019年から学生主体で進めた調査研究を通して明らかになった鷭ヶ池の生物相や自然環境の変化について報告しました。後半には、前半の発表と、プロジェクトにご協力いただいている学内外の方からいただいた応援コメント・メッセージをもとに、会場参加者で「これからの鷭ヶ池」について議論を交わしました。
シンポジウムのまとめ
①これまでの学生主体の調査によって、1970年代のキャンパス移転から現在に至る鷭ヶ池の環境変化が、3つの時間軸(1970-80年代、1990年代、2020年代)で、生物相を通じて明らかになってきた。
②これまで放置されてきた鷭ヶ池に対して、学生が主体となって保全再生に向けた行動を取ろうとしたときに、今の社会の仕組みの中で、新たな取り組みがしやすくなるようなサポートを大学や教職員がする必要がある。
③科学的な知見を学びながら取り組もうとしている学生の姿勢は大学も歓迎なはずである。今の社会的な要請の中に組み込んで、大学として応援し、教員もそこで研究するような協議会・WGを設けたらどうか。
1.背景・目的
2.プログラム
3.活動・調査報告(スライド資料)
4.ディスカッション「これからの鷭ヶ池」
5.応援コメント・メッセージ
6.イベント案内ページ(リンク先)
背景・目的
背景
(鷭ヶ池の変遷と自然再生プロジェクトの経緯)
岐阜大学周辺は東海地方における淡水魚類の希少種、固有種の生息地として環境省により「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(通称:重要湿地)」の指定を受けています。岐阜大学キャンパスの北東端に位置する鷭ヶ池も「岐阜大学自然保存地」として位置付けられています。かつての鷭ヶ池は、伊自良川の氾濫原的な環境の面影を残しており、バンをはじめとする多種多様な野鳥、水生生物、水生植物等の貴重な生息・生育の場となっていました。水鳥「バン」の集団繁殖地でもあったこの場所は、キャンパス統合移転に伴う学生と市民の自然保護運動によって、1975年に約2 ha が自然保存地として残されました。その後、一部学生や教職員によって調査や保全の取り組みが行われたものの、大学として具体的な維持管理・活用の方針が検討されず放置され、この数十年の間に自然環境の劣化と生物多様性の低下が著しく進んでいることが確認されています。
私たち学生有志は、2019年2月より「岐阜大学キャンパスにおける自然環境整備事業」、2020年3月より「鷭ヶ池自然再生プロジェクト」を企画し、過去の学生や教職員による調査記録やかつての鷭ヶ池の環境、鷭ヶ池の現状などについて調査を進めるとともに、鷭ヶ池の効果的な再生の方法は何か、自然保存地はどのような場所であるべきか考えてきました。活動開始から5年を経た現在、これまでの取り組みの成果を広く公表するとともに、学内外の皆さまとこれからの鷭ヶ池の在り方について議論する機会を設けたいと考えました。
目的
2020年に鷭ヶ池自然再生プロジェクトが発足し、現在に至るまで調査研究・保全再生・教育普及活動を軸に、学内外の多くの関係者のご協力のもと学生が主体となって取り組みを進めてきました。この度、本シンポジウムを通して、岐大生や教職員、地域住民など多くの人に取り組みの成果を広く公表し、鷭ヶ池の存在を改めて認知してもらう機会にしたいと考えました。また、自然保存池として残された鷭ヶ池の意義やこれからの鷭ヶ池の在り方について参加者の皆さまと共に考える機会とすることを目的に本シンポジウムを開催いたします。
プログラム
開会挨拶・趣旨説明 片山義章(G-amet)
活動・調査報告
「鷭ヶ池をめぐる過去の取り組み」原田守啓(工学部)
「岐阜大学柳戸キャンパス 鷭ヶ池の変遷」中藤駿(G-amet)
「岐阜大学・鷭ヶ池の水生生物」中藤駿(G-amet)
「鷭ヶ池の鳥類相 〜鳥類調査について〜」後藤明日香(G-amet)
「鷭ヶ池の植物 〜植物調査〜」羽賀舞人(G-amet)
「鷭ヶ池の植物 〜土壌シードバンク調査〜」片山義章(G-amet )
ディスカッション「これからの鷭ヶ池」
前半「活動・調査報告の振り返り」
中盤「調査の結果から見えてきた保全再生のビジョン」
後半「鷭ヶ池の環境をどのように再生していくのか、大学の敷地として誰がどのように意思決定していくのか?」
パネリスト:
平松研(応用生物科学部)/ 向井貴彦(地域科学部)/ 原田守啓(工学部)/ 酒井泰和(日本野鳥の会 岐阜)/ 鷭ヶ池自然再生プロジェクトメンバー
閉会挨拶 中藤駿(G-amet)/ 片山義章(G-amet)
活動・調査報告
※パソコンでの閲覧推奨
「岐阜大学柳戸キャンパス 鷭ヶ池の変遷」
中藤 駿(岐阜大学環境サークル G-amet)
「岐阜大学・鷭ヶ池の水生生物」
中藤 駿(岐阜大学環境サークル G-amet)
「鷭ヶ池の鳥類相 〜鳥類調査について〜」
後藤 明日香(岐阜大学環境サークル G-amet)
「鷭ヶ池の植物 〜植物調査〜」
羽賀 舞人(岐阜大学環境サークル G-amet)
「鷭ヶ池の植物 〜土壌シードバンク調査〜」
片山 義章(岐阜大学環境サークル G-amet)
ディスカッション「これからの鷭ヶ池」
前半「活動・調査報告の振り返り」
中盤「調査の結果から見えてきた保全再生のビジョン」
後半「鷭ヶ池の環境をどのように再生していくのか、大学の敷地として誰がどのように意思決定していくのか?」
パネリスト:
平松研(応用生物科学部)/ 向井貴彦(地域科学部)/ 原田守啓(工学部)/ 酒井泰和(日本野鳥の会 岐阜)/ 鷭ヶ池自然再生プロジェクトメンバー
前半
「活動・調査報告の振り返り」
3つの時間軸(1970-80年代、1990年代、2020年代)での発表を通して、「現在の鷭ヶ池の自然環境はどのような状態にあるのか?」をご参加いただいた専門家の立場からコメントいただきました。
■ このままでは泥が溜まって陸化していく可能性がある(鷭ヶ池のみならず、構内河川や新堀川も泥の堆積・浅底化は課題)。水の供給がないことが最大の問題で、鷭ヶ池の環境改善を図る上で非常に悩ましい。
■ 岐阜市内において、トウカイヨシノボリの生息地は鷭ヶ池を含む2箇所しかない。本種の生息地として、その希少性を内外問わずアピールしても良いのではないか。
■ やはり水の問題が最も課題である。15年ほど前は、堤防の井桁護岸を通じての湧水が目で見て分かるほどにあった。現在までになぜ消失したのかは不明だが、ヘドロが取り除かれれば湧水も復活する可能性もあるのではないかと思う。堤防工事や土地造成工事など人の手によって、水位が下がったのであれば、人の手を入れて再生するのも悪くないように思う。
■ 1990年代には北池だけでなく、堤防に直接接していない南側からも湧水があった。水位観測の結果、現在では伊自良川からの水供給はほとんどなく、構内河川からの逆流によって水位が保たれている。
■ 1990〜2000年代の調査・実習では、タイリクバラタナゴが数多く捕獲されていたが、二枚貝(ヌマガイ)の急激な減少とともにタナゴも減った。しかし、底質に触れることなく宙吊りにした生簀であれば二枚貝の維持が可能であることも分かってきた。まだ保全再生ができる可能性を感じている。
中盤
「調査の結果から見えてきた保全再生のビジョン」
※音割れ・音飛びのため一部省略
①魚類の観点から:
ビジョンを考える上で、トウカイヨシノボリに着目したい。堤防工事によって人工的に造成されたと見られる礫質帯が本種の産卵場として重要な機能を持っている。泥底と同時に、泥の被っていない礫を必要とする本種にとっては、これらの条件が揃った鷭ヶ池は好適な環境である。時には人工的な環境をあえて残すことも必要なのではないか。
②鳥類の観点から:
鷭ヶ池は水鳥以外の種が多く、水域利用しているのはカモ類、サギ類、ヒクイナなどである。ただ、ここ3年くらいカモ類が入らなくなってきているように感じている。背景には鷭ヶ池だけではなくその周辺との河川との関係、具体的には堤防の草刈りの時期によって影響を受けていることも考えられる。伊自良川と鳥羽川は鷭ヶ池と一体的な環境で、切っても切り離せない関係にある。鷭ヶ池とその周辺で確認されている鳥類は、岐阜市内では断然多い。多くの種の通り道・中継地になっていることがその要因の1つである。この場所は過去から引き継がれてきた重要なルートであり、何メートルという単位で渡りのルートを記憶している渡り鳥にとってこの場所を維持し続ける重要性は極めて大きいと言える。こうした背景からも環境省のモニタリング1000の調査サイトに登録できれば良いのではないか。
③植物の観点から:
鷭ヶ池から水生植物は消失してしまい、復活・維持のためには水質や底質の改善など大規模な対策が求められ、すぐには難しい。残存している湿生植物について、これ以上減少させないためにも、「エコトーン」の造成によって、湖岸侵食を防止するとともに、これらの植物が生育していけるような湿地的な環境を人工的に維持することが望ましいのではないか。埋土種子の調査については、種子の寿命・発芽可能性の観点から地点数を増やしながら早急に進めることが望ましい。
後半
「鷭ヶ池の環境をどのように再生していくのか、
大学の敷地として誰がどのように意思決定していくのか?」
ミニシンポジウム開催にあたって、これまで鷭ヶ池自然再生プロジェクトの活動を支えてくださった学内外の方から「応援コメント・メッセージ」をいただきました。前半の調査報告と応援コメントをもとに、会場参加者でこれからの鷭ヶ池について議論を進めました。
■ OECM(自然共生サイト)やモニタリング1000調査サイトへの登録など、今の社会の仕組みの中で保全再生の取り組みを進めて行こうというメッセージをもらった。また、単に「昔からあるから大事にしよう」ではなく、1970年代からの科学的なデータの蓄積やトウカイヨシノボリの生息地、鳥類の生息場・渡りのルートとしての希少性など、今の価値を捉えた上でこれからの鷭ヶ池を考えていく必要がある。
■ 鷭ヶ池自然再生プロジェクトでは、学生自身が保全再生のための勉強をしており、自然の仕組みを学び、保全再生に取り組む実践的なフィールドとしての価値が高まっている。そうした価値を土台として、関係している人たちが活動しやすくする必要がある。
■ 現在、防疫や安全管理、堤防へのアクセス面などから全体的に活動しにくくなっている。ステークホルダーも多く、見落としている可能性もある。また、意志決定する場がないこと、情報共有をする場がないことも課題。極力自由に活動・調査ができるような環境にすべきではないか。
■ 協議会のような場を設けて、責任を大学本部やフィールドセンターに押し付けるのではなく、ステークホルダーに当たる人たちが協議をしながら今後のことを決めていく体制が大学キャンパスという公共性の高い空間の特性からも健全である。手付かずの保全ではなく、学生も教員も勉強しながら一緒に再生に繋がる取り組みを何らか自主性の範囲内で取り組んでいく方向性を位置付けたい。
■ 協議体制の構築にあたって、突発的に声をかけても意識の共有ができない。定期的に関係者が集まる仕組みが必要。一部義務的にはなってしまうが、そこに生物・環境系サークルの学生も参加してもらう形が良いのではないか。熱心な学生やそうでない学生のように、どうしても波があるので、真剣に鷭ヶ池について語り合う場に参加する機会があれば、活動の継続性を生み出すことに繋がるかもしれない。
■ 学外の人が参加しやすい仕組みが必要。協議会への参加だけでなく、自然観察などのイベントで利用できると良い。ただ、その場合の窓口がないことが課題。堤防から野鳥を観察しているのは、野鳥の会の会員だけでなく一般の方も多くいるはず。学外の方が自由に鷭ヶ池に入ると保全や管理の面からハードルが上がると思う。人の立ち入り度合いによってのゾーニングも求められる。
応援コメント・メッセージ
ミニシンポジウムの開催にあたって、これまで鷭ヶ池自然再生プロジェクトの活動を支えてくださった学内外の方から「応援コメント・メッセージ」をいただいた。
伊藤 浩二 先生(岐阜大学 地域協学センター・助教)
大塚 之稔 様(日本野鳥の会 岐阜・顧問)
須山 知香 先生(岐阜大学 教育学部 理科教育講座(生物) 植物自然史研究室・准教授)
水上 精榮 様(元岐阜大学 工学部 技術部・技術専門員)
伊藤 浩二 先生
(岐阜大学 地域協学センター・助教)
①鷭ヶ池周辺はかつて農村生態系の一部であったことを考えると、現在の景観は植生が繁茂しすぎている状況かと思います。特に開学後に植樹された池周辺の高木はバンが生息していた当時はなかったものではないでしょうか。植生管理によって植物による蒸散量が減れば、池の水位低下の問題もいくらかは解消されるのではないかと考えています。もっとも鳥たちからの目隠しになるような池端の樹木やヨシ帯はあったほうがよいのかもしれません。
②貴団体の取り組みは、学生がキャンパスの生態系モニタリングや自然再生を自主的・継続的に実施している事例として全国的にも珍しく、学びの場としてもとても意義ある活動だともいます。今後、大学当局とも連携して生態系保全や生態系管理を実施することを念頭に、将来的に環境省の自然共生サイト認定を目指していくのも、学生の皆さんの学びと、鷭ヶ池の認知度と関心を高める一手かと思います。
大塚 之稔 様
(日本野鳥の会 岐阜・顧問)
大学内に残された池は、元々どのような名前であったか分かりませんが、50数年前、その地に岐阜大学が移設されることになりました。一帯は野鳥観察者の間で鳥類のバンが多く生息している湿地帯であったところから勝手に「バンが池」と呼んでいました。地域としては遊水地的な場所であったように思います。バン以外にも多様な生物が生息しており、重要な湿地でありました。このまま埋め潰してしまうことはあまりにも残念で、一部分でも残せないかと、「岐阜県自然環境保全連合」「岐阜県野鳥の会(現 日本野鳥の会岐阜)」など、あるいは大学の先生などが関係省庁に要望したように聞いています。
私自身は、当時高校生で、池のほとりに「池を守れ」という看板をたてにいった覚えがあります。どのような経緯で池が残されるようになったかは詳しく知りませんが、当時の状況からして市民運動が認められたということでは大きな意味があったと思います。マスコミが扱ってくれたことも大きかったでしょう。
前置きが長くなりましたが、今後の池の利用と課題について考えてみます。
①研究地としての利用
構内にあることから、学生の方の研究地として利用していただきたい。近年では、フィールドワークをする機会が減っていると聞いています。研究地として、身近にある絶好な場所だと思います。都市郊外の立地もよいです。できれば、大学の研究室が継続して進めてもらえるのが理想ですが。個人では限界があり、卒業されれば終わってしまいます。
②水質の問題
大学移設以前の水質は、透明度は伊自良川ほどではありませんが、きれいだったと思います。遊水地として水は溜まりましたが、自然に排出できており、循環はされていたのかもしれません。しかしながら、現在は夏場になると赤色に変色し、生き物が住むような感じはしません。水の循環ができるようなら、今よりは改善されるのではないかと思います。
③市民(学生)へのアピール
まずは、学生の方々がどれくらいこの池のことを知っているのか疑問に思うほどです。構内中心部に水の流れはありますが、この池の規模は大きく、今のままでは単に放置された場所にすぎません。池の存在を知っていただくことが大切です。
④学生が行きやすい場所に
自然のままで残すことも大切ですが、来やすい場所として開放地を設けたり、遊歩道を作ったりすることも考えたらどうかと。自然に触れられる場所として、都市公園の池のような考え方もできるのでは。全て開発せず、北の方は自然を残し、南部は開放するというなど。伊自良川とセットにして市民の憩いの場に。
とはいっても、構内にあることからかなりハードルが高く、大学側がこの池の存在をどのように考えているかが問題です。また、公園化するにしても資金の問題があります。クラウドファンディングなどで集めるにしてもこの池の利用と今後の在り方をかなり考える必要があります。
さらに、行きやすい場所としては現在では交通の問題があります。市民の利用を考える場合、交通の便や駐車場などが必須です。規模的にも中途半端な広さです。 なんの結論にはなりませんが、今回のように学生の方が中心になって、「鷭ケ池」のことを話題にされていることはうれしいことです。
須山 知香 先生
(岐阜大学 教育学部 理科教育講座(生物) 植物自然史研究室・准教授)
日頃より、G-ametさんの活躍振りを頼もしく拝見しています。
本研究室では、岐阜県植物研究会、岐阜県植物誌調査会、岐阜県博物館との協働により、2019年に「岐阜県植物誌」を刊行しました。本誌の証拠標本、そしてさらに古くからの“実物による調査記録”を収める植物標本庫には、“古き良き時代の鷭ヶ池”の採集品も保管されています。
G-ametの皆さんが、現在の池の状態をつぶさに観察するとともに、かつての記録を丁寧に紐解くことで、これからの鷭ヶ池の有り様について熟思されるのをお手伝いすることは、私にとっても刺激的な活動です。
生き物について「いつ・どこで・だれが・なにに・であった」を5次元として積み重ねることにより、私たちが得られものは計り知れません。
好奇心をフル稼働して、今後も存分に活躍して下さい。
水上 精榮 様
(元岐阜大学 工学部 技術部・技術専門員)
鷭ケ池シンポジウムのご案内をいただき、誠にありがとうございます。私たちが鷭ヶ池の調査を始めたのは1990年代後半で四半世紀以上前のことですが、今も学生さんを中心にして自然再生の活動をなさっていることに敬意を申し上げます。また大変うれしく思います。
私たちのころも学生さんと教職員で協力・調査して、学園祭の「鷭ヶ池シンポジウム」で成果報告をしたことが懐かしく思い出されます。その時は原田守啓さんも学生で活躍されました。私達の所属していた技術室・研究室では、その後も地域の河川・水辺環境の研究を続け、調査研究報告や卒業論文などのテーマにもなっていました。またそのような活動と並行して大学の運営・施設関係者と相談して鷭ケ池の水質検査の継続や水質浄化装置を設置していただいたりしました。また、岐阜市衛生試験所にも水質検査と分析でご協力をいただきました。そして地域住民さんの理解を得て大学施設部により地下水ポンプの設置をしていただきました。しかしながら地下水は本来なら50 m以上の深さの井戸水を揚げるお願いであったのですが、地域住民さんとの話し合いが不十分で浅井戸(30 mの深さ)になったため鉄分が多く水質浄化には適用できませんでした。そのため礫間浄化法による鉄分除去の研究もしたものでした。
その後、私は定年で大学をはなれましたので、鷭ヶ池の環境活動はなされていないのではないかと思っていました。30年後の現在、また鷭ケ池に注目が出てきたことはとてもうれしく思っています。今後も皆さまのご努力・ご活躍により鷭ケ池の水質が浄化され、生態系が豊かに保たれ、大学関係者と地域の人たちの癒しの場になっていくことを心より期待しております。
