水生生物調査

キャンパスとその周辺における水生生物の生息状況や希少種・外来種の現状把握、保全方策の影響などを明らかにすることを目的に行っています。

2019年度は、キャンパスにおける水生生物の現状把握を目的に行いました。キャンパス内の水域を12区画に分け、淡水魚類を中心に水生昆虫類、十脚類、貝類を対象としました。

2019年6月から12月まで32回の調査を行い、淡水魚類については6科16種(合計4541個体)を記録しました。調査の結果、大学構内には止水性・貧酸素耐性が高い種が多く生息していること、東海地方に固有な淡水魚類が生息していることが明らかになりました。

また、聞き取り調査の結果と比較することで、数年間でカダヤシ(特定外来生物)が大幅に分布域を拡大したこと、ミナミメダカの分布域が縮小していることも明らかとなりました。

その後の調査で、ソウギョやオオクチバスといった外来種、さらにニシキゴイも生息していることが明らかになりました。これまでに岐阜大学(鷭ヶ池、構内河川)には少なくとも8科19種の淡水魚類が生息していることが分かっています。

現在は、トウカイヨシノボリ(ハゼ科)の生息環境保全に必要な生態学的知見の蓄積を目的に、生息環境特性や産卵周期の解明を目指して調査を行っています。本種は東海地方の固有種である一方で、生息地が局所的である上、各地で個体数が減少傾向にあることが指摘されています。2021年度の調査では、鷭ヶ池が岐阜市北部の貴重な繁殖地となっていることや本種の特異的な繁殖期が明らかになりました。

   

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