活動内容

鷭ヶ池自然再生プロジェクトでは、調査研究・保全再生・教育普及の3つの事業を軸に、学内外30名を超える専門家のご協力・ご支援をいただきながら、活動を展開しています。メンバーそれぞれがフィールドワーク、ラボワーク、プレゼン、デザイン(ホームページ)など幅広く取り組んでいます

      

    

水質・水文調査

キャンパスとその周辺における水環境の現状や繋がり、保全方策の影響を明らかにするために実施しています。コロナ禍での活動制限などにより中断していましたが、2023年度より本格的に再開する予定です。


水生生物調査

キャンパスとその周辺における水生生物の生息状況や希少種・外来種の現状把握、保全方策の影響などを明らかにすることを目的に行っています。コロナ禍での活動制限などにより現在本格的な調査は行えていません。


トウカイヨシノボリ生態調査

トウカイヨシノボリ(岐阜市:絶滅危惧Ⅰ類)の生態学的知見の蓄積に向けた調査研究も進めており、鷭ヶ池が岐阜市北部の貴重な繁殖地となっていることや本種の特異的な繁殖期が明らかになりました。


鳥類調査

鷭ヶ池は冬に300羽程度のカモ類が飛来する岐阜市最大級の飛来地として知られています。鷭ヶ池や伊自良川に飛来するカモ類を中心に、種構成や個体数、利用環境とその変化を把握することを目的に、ラインセンサス法を用いた野鳥のモニタリング調査を行っています。


植物調査

鷭ヶ池を中心とした岐阜大学キャンパスの水辺に生育する植物相を把握するために行っています。また、1980年代と1990年代にまとめられた植物目録と比較し、植物相の変化や絶滅・移入の状況を把握することを目指しています。


土壌シードバンク調査

消滅した植生を再生する材料として土壌シードバンク(土壌中の生きている種子集団)が近年注目されています。1980年代の鷭ヶ池は豊かな水生植物相を有していたことが文献調査から確認されています。また、バンは餌や巣材として水生植物を利用することから、これらをシードバンクを用いて復活・復元することを目指しています。2020年の調査では絶滅危惧種を含む複数種の種子が確認されました。


文献調査

鷭ヶ池を含む岐阜大学キャンパスのかつての環境を明らかにするため、およそ半世紀にもわたる学生や教職員による調査記録を調査しています。バックデータを用いて、水質、動植物調査の結果と比較し、その変遷を明らかにします。また、劣化が著しい資料もあり、デジタルデータ化に向けた取り組みも進めています。


    

     


 


エコトーン造成

護岸侵食やヘドロの堆積により衰退したと考えられるエコトーンの復元に向けた取り組みを進めています。正負の影響はもちろん、維持管理面についても検証するため、試験区の設置を検討しています。2022年11月には試験区設計のため、現地での計測作業や岸部環境の確認などを行いました。

 

鷭ヶ池水生生物救助活動

2019年末、鷭ヶ池において大規模な渇水が発生し、淡水魚類やカモ類への影響が懸念されました。12月に本サークルが主体となり、教員指導のもと救助活動を実施しました。学生18名、教職員9名の総勢27名にご参加いただいた。魚類約300匹を含む17種の水生生物を採集しました。これらのうち、鷭ヶ池の環境に依存する種は一時保護、残りは外来種を除き構内河川に放流しました。大規模渇水の観測のためドローンによる観測を実施しました。観測の結果、約44%の池底が露出していることが判明しました。

 

特定外来生物駆除活動

観賞用として全国に分布拡大したオオフサモは特定外来生物に指定されており、構内河川では水流を妨げるなどの被害が出ています。2019年11月に構内河川において教員指導のもと駆除活動を実施し、2回の活動で学生16名が参加しました。2020年には教員指導のもと岐阜大学生物科学研究会と共同で遮光シートの設置と学外への流出防止ネットの設置を行いました。 2021年はシートの整備と残存個体の駆除、オオキンケイギクの駆除を緑化研究会 three teesと行いました。


       
     


 


植物標本作製ワークショップ

植物標本作製技術の習得に加え、サークルに所属していない学生にもキャンパスの自然環境に関心を持ってもらうことを目的として教員指導のもとオープンな取り組みとして開催しました。第1回「植物の採集と乾燥編」と第2回「台紙への貼り付けと保存編」の2回に分けて実施し、リニューアルされた「教育学部附属植物標本庫」の見学も実施しました。


大学祭 展示企画

教育普及活動の1つとして、年2回の大学祭において展示を行っています。生体展示や識別コーナー、オリジナルグッズの販売など、来場者の方から好評をいただいています。


内部勉強会の開催

調査において必要な基礎知識を学ぶため、不定期に内部勉強会を開催しています。これまでに「植物標本のつくり方」「鳥類の識別・観察」の勉強会を開催しました。

    

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